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ふたりが帰ったあと、カツオはあらためて自分の問題と向き合った。
だが、考えるまでもなかった。
答えは明らかだった。
ボクシングが好き――
その想いは、けっして変わらない。
そうだ、オレは『ボクシングが好き』という想いを中心にさだめて生きていくって決めたんだ。
自分を見うしなわない、心がぶれない――オレの場合は『ボクシングが好き』という想いからはなれないことが、それに当たるんだ。
そして、この想いこそが、オレの『いま幸せ』なんだ。
ここで終わるわけにはいかない。
終わりにできるわけがない。
ボクシングを好きでいることをやめるなんて、できるわけがないんだ。
「よし、やるぞ!」
カツオは決心した。
「大賀烈……圧倒的なパワーをもつあの相手にどうすれば勝てるのか?
――その方法を、かならず見つけるぞ!」
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